ティーコンシェルジュ林素真子の 「いきなティーコラム」

お茶とおもてなしの心「あなた、お茶が入りましたよ」に 込められたおもてなしの心

御殿場のお茶[ハーブティー、日本茶、コーヒー、紅茶、中国茶]のお教室

column

ティーコンシェルジュ林素真子の
「いきなティーコラム」

column01「あなた、お茶が入りましたよ」に込められたおもてなしの心

食後のひとときや、休憩に声を掛ける
「あなた、お茶が入りましたよ」。
このひとことには、日本文化の素晴らしさが凝縮されています。
相手を慮るおもてなしの心が、素敵なティータイムを彩ります。

お茶が勝手に入る!?わけではありません

作山会長からの多くの学びの中で、特に印象に残っているひとつが「あなた、お茶が入りましたよ」に込められた意味です。
「あなた、お茶が入りましたよ」この言葉は日本ではさりげなく使われている言葉ですよね

日本では食後や休憩のときに、または奥様からご主人に、「お茶が入りましたよ」と声を掛けますよね。これは古くからの日本文化で、相手がお茶が飲みたい頃合いを察したり、「あなた、そろそろ休憩したら?」と促すための思いやりなんです。

「あなた、お茶が入りましたよ」これを英語に直訳すると、あたかもお茶が勝手に入ったかのようになります。ほかの言語に訳すために正しい表現に置き換えるなら、「あなたのためにお茶をいれました。どうぞ飲んでください」となってしまいます。なんだか押し付けがましい表現になってしまい、適切は訳し方がみつかりません。
ティーコンシェルジュ協会の生徒には、韓国や中国、香港、アメリカなど、いろんな国の方がいらっしゃって、それぞれの国に異なる食文化やお茶がありますが、あなたのためにあたかもお茶が勝手に入ったように、頃合いを見計らい、すべてを推し量りつつ使う「お茶が入りましたよ」という表現は日本人だけが持つ感覚なのでしょう。

作山会長は「日本人はイエスかノーが言えないのではなく、相手を慮るという能力が高い」とおっしゃっていました。この一言に日本文化の素晴らしさや日本人の精神性の高さが凝縮されているのだと思います。

どんなカップでも同じ味? いいえ、全然違うんです!

また急須やティーポット、湯飲みやティーカップの選び方によっても、おもてなしの心が生まれますよね。
ここだけの話ですが、私も少し前まではお茶さえおいしく淹れれば、100均のお茶碗でも高価なティーカップでも、どれで飲んでも味は同じじゃん!って思っていました。
でもこれ、全然違うんです! カップの形や口の広さによって、香りがまっすぐに上がるものや、ふわ~んとほのかに上がってくるものなど、違いがあります。

茶碗の厚みがうすいものは、お湯の温度がダイレクトに口に伝わってくるので、口当たりがよくおいしく感じるんです。けれども、茶碗の厚みが厚いものは口当たりが良くなくて、味とマッチしないんですよね。お茶に適した湯飲みやティーカップを選ぶのもおもてなしのひとつですね。

2級では、まさにティーカップの違い、淹れる温度の違い、茶葉を浸出させる時間の違い、水の硬度の違いでお茶の味がどう変わるかを学びます。100均の湯呑・磁器のの湯呑・素焼きの湯呑・ガラスの湯呑どれも捨てがたい特徴があり、飲むお茶によって湯呑やティーカップを選ぶのも楽しみの一つです。(申し訳ないけど、100均の湯呑は丈夫ってところが一番いい特徴ですよね)

「あなた、お茶が入りましたよ」の“お茶”は、日本茶だけでなく、コーヒーや紅茶、ハーブティーでもいいのです。ティーポットや急須、ティーカップや湯のみなどお気に入りを用意して、ご家族やご友人と、おもてなしの心を伝える素敵なティータイムを過ごしてみませんか?

ちなみに、私は朝ごはんを家族全員で食べると決めています。
夕ごはんは仕事や習い事の都合で一緒に食べれない日があるので全員揃った時間を見計らって、『お茶にしよ!何飲みたい?コーヒー?ハーブティー?お茶?』と必ずリビングにみんなが集まるようにしています。
お陰様で、家族全員健康で仲のよい家族になりました。

column

ティコンシェルジュ林素真子の「いきなティーコラム」