ティーコンシェルジュ林素真子の 「いきなティーコラム」

緊急災害時にこそ届けたい! 心と身体を癒す1杯のお茶

御殿場のお茶[ハーブティー、日本茶、コーヒー、紅茶、中国茶]のお教室

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ティーコンシェルジュ林素真子の
「いきなティーコラム」

column03緊急災害時にこそ届けたい!心と身体を癒す1杯のお茶

緊急災害時にハーブティー?と不思議に思った方もいるかもしれません。
世界の民間療法の約80%で利用されているハーブ。
普段とは違う環境だからこそ、

ハーブティーで災害関連死から守る

薬剤師としての私の仕事のひとつとして、市町村向けの災害用医療資材の大きい救急ボックスを作っています。今から 40年前、東海大震災が懸念されたときに、静岡県を中心に災害時の対策として救護所に備えられ始めたもので、災害時に救護所でトリアージを行ったり、医師がいれば簡単な小手術ができるセットです。

阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震のほか、水害や土砂崩れなど、大規模な自然災害が発生する度に、避難所生活が強いられる方々がいらっしゃいます。私も災害医療薬剤師学会に参加して、過酷な避難所生活の現実を知りました。
被災者の方は日中は住宅の整備に駆け回り、砂ぼこりで目や喉を痛める方が多いです。また夜は、避難所となっている体育館の床に直接寝ているケースが多いので、周りの物音が気になったり、床が硬くて疲れているのになかなか寝付けなかったりもします。薬は必要ないけれど、そのままの状態が長く続けば、身体に不調をきたします。

また食事も朝はおにぎり、昼は菓子パン、夜は麺類と、炭水化物ばかりが4ヶ月も続いた場所もありました。多くの被災者の方は我慢しながらも「食べられるだけ幸せです」とおっしゃっていました。
しかし炭水化物ばかりでは、必要なビタミンやミネラルが充分に摂取できず、栄養不足から体調不良になる方がいらっしゃいます。その予防として栄養素を補うためにハーブティーを活用してみてはどうか?と考えたわけです。ハーブティーの賞味期限は包装や保存状態によっては5年あります。避難所の備蓄品にハーブティーも一緒に入れたい!というのが、今の私が目指す目標のひとつです。

災害時の避難所生活のストレス緩和にハーブティーを

災害時の避難所では、大勢の知らない人と長時間一緒に過ごすことになります。赤ちゃんの泣き声やいびきなど、ご家族でもストレスを感じる場合もあるのに、ザワザワしていたり子どもが泣いていたり、健康な人でもなかなかぐっすりとは眠れない環境です。
疲れていたり、家のことやこれからのことを考えて心配したり不安になったり、緊張から胃腸が弱って下痢する方もいると思います。そんな時に、心を落ち着ける効果や下痢を止める効果が期待できるハーブティーがあれば、医師の指示が無くてもその状態が改善できる。民間療法だからこそ皆さんのお役に立てると思うんです。

つい最近のある調査結果でわかったのは、日本人の女性は災害時にエコノミー症候群になりやすいということ。その数は、男性の3倍だそうです。
外国では男女比は変わらないそうです。
それはなぜかというと、日本はどこに行っても綺麗なトイレがあり、日頃その環境に慣れている割には、災害時のトイレ対策が遅れているからです。トイレは設置場所が居住区から遠かったり、汚れていて不衛生だったりします。その対応の遅れから汚染が酷く使用禁止のトイレが増え、使えるトイレに並ぶ長蛇の列ができていたりします。

ヨーロッパを例に挙げると、災害時の1日目から1000人分の食事が用意できたり、トイレトラックが運ばれて快適なトイレが与えられたりするそうです。
日本では、災害時にトイレになるべく行きたくないからと、水分を控えてしまう結果エコノミー症候群になる女性が多いというわけです。

もちろん、衛生状態を保ったりライフラインを整えることも大事ですが、1杯のハーブティーで水分を補給し、身体を温め、膀胱炎の予防が期待できたり、血液の状態を改善できたりすれば、災害関連死が防げるのではないかと思います。
合わせてハーブティーのアロマ効果で精神面にもいい影響を与えてそ気持ちが落き、ちょっと足が遠のきがちなトイレも行きやすくなるんじゃないかと考えます。

皆さんは、ワーファリンという血液をサラサラにする薬をご存知でしょうか。命に関わる大切な薬で、処方されるときに毎日の食事で摂るカリウムの量を考えた上で、量を決めています。ですから、もし被災していつも通りにカリウムを摂れなくなった場合、逆に血液がサラサラになりすぎて、脳溢血を起こす可能性もあります。その場合ハーブティーでカリウムを補うことができれば、災害関連死を防ぐことに繋がります。

お茶は栄養素が摂れる水溶性食品です。災害時に食物繊維や栄養素が足りないときにも手軽に摂ることができます。
さらに、お茶はその水溶性成分だけでなく、香りをもたらす揮発性成分もアロマテラピー効果があり、災害時などの落ち込んだり不安な状況に1杯のお茶が大きな力になって支えてくれるでしょう。災害時でも、できるだけ普段と変わらない生活をしたいものですね。

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